■断熱材とは？ 冬も夏も快適な住まいを作る断熱材の役割を紹介！■

断熱材は、家を建てる際に重要なポイントの1つです。
断熱材があるのとないのとでは、エアコンの電気代にも影響が出てきます。
断熱材と一口にいっても色々な種類があり、それぞれ性能が違います。
これから、こだわりの新築住宅や注文住宅を建てたい、デザイン住宅を建てたいと考えている人は、
ぜひ参考にしてください。

●断熱材とは？ その用途

断熱材とは、物理・化学的に、伝導や対流、放射などによる熱移動・熱伝達を減少させるものの総称です。
熱絶縁材とも呼びます。
JISでは「システムからの熱移動を減少させるプロセス若しくはその機能を果たす製品、構成又はシステム」
と規定されています。
断熱材は冷暖房のエネルギー効率を良くする建築資材に使用されているだけでなく、
熱伝達を抑制することが重要なストーブ・冷蔵庫・冷凍庫・湯沸かし器等の器具の筐体部分、
および多くの工業的な応用にも使用されます。
建築資材としての断熱材には、熱伝導率の低い素材が用いられることが多いです。
材料中の気泡の対流により、熱伝達を抑制して断熱効果を高めたものや、
材質表面の反射率を高めて熱放射を妨げた断熱材料もあります。

●断熱材の種類

現在利用されている断熱材には、密度の低いウール状繊維によって熱伝導率の低い空気を保持する繊維系断熱材料や、
固体の中に気体の小泡を多量に持つ発泡系断熱材料の利用が多いです。
日本の住宅建築において、クラスウールやロックウールなどは、伝統的に大工が施工するケースがほとんどであり、
隙間なく施工できるかどうかは大工次第です。
一方、樹脂系のものは、工場で発泡させてボード状の既製品にしたものを現場で取り付けるものと、
現場で発泡させながら吹き付けるものとがあります。
後者は専門機械が必要となるため、専門業者による施工がほとんどですが、
施工方法としては隙間なく施工しやすいです。
しかしこの方法は、発泡温度の関係からウレタンフォームにしか用いることはできません。
建築業界では特に遮熱塗料と呼び分けることもありますが、これも断熱材の一種です。
また、発泡樹脂系の断熱材に封入されるガスは炭化水素系のものが多いです。
しかしこのガスが最近、オゾン層破壊や地球温暖化などの問題で制限されてきています。
断熱材を混ぜたものは、リサイクルしにくいという問題もあります。
なお、住宅用断熱材は、熱伝導率によってAからEまで分類されます。
熱の伝わりやすさを表す数値で、低ければ低いほど熱が伝わりにくく、断熱効果が高くなります。
・A:0.052-0.046
・B:0.045-0.041
・C:0.040-0.035
・D:0.034-0.029
・E:0.028以下（単位W/mK(24.0℃)）
断熱材を選ぶ際は、この熱伝導率に注目しましょう。

●内断熱・外断熱とは？

建築分野では、断熱材を躯体の内側に設けるか、外側に設けるかによって内断熱、外断熱に区別されます。
かつては、風雨に対して対抗性の強い断熱材が無かったため、内断熱が常識でしたが、
外断熱にすると構造体も外気の急激な温度変化から保護されることになり、
金属製構造体の結露を回避することが出来るメリットがあります。
また、躯体によって断熱材が分断されないというメリットもあるため、断熱欠損の面でも有利となります。
しかし、逆に考えると、外断熱は構造体まで暖め（冷やさ）なくては、
室内環境を快適に出来ないという弱点もあります。
そのため、内断熱と外断熱は一長一短があり、建物用途によって使い分けるべきものです。

＊まとめ

住まいを快適で過ごしやすくするためには、断熱材は欠かせません。
外装や内装なども重要ですが、断熱材の選び方も大切です。
特性などをしっかりと調べて、把握してから選びましょう。