住まいに断熱材を入れることで1年通して住まい環境が快適になるという理由

【断熱材の種類と施工方法】

住宅に使用される断熱材は、素材によって大まかに3種類に分けられます。
1つ目は繊維系断熱材で、グラスウールやロックウールなどで、
グラスウールはもっともよく使用されている断熱材ですが、ロックウールは安価で施工がしやすいメリットがあります。
しかし、透湿性があり防湿層が必要不可欠です。
2つ目は発泡プラスチック系断熱材で、ビーズ法ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォームなどがあり、
断熱性能が高く、湿気に強く軽量ですが、施工上、厚く使用するのが難しい素材になります。
3つ目は自然系断熱材で、セルロースファイバーがこれになります。
吸放出性がよく、結露しにくいメリットがあります。


【断熱材の入れ方と注意事項】

断熱を目的として住宅に使用される材料が断熱材です。
外皮の各部位、外壁、屋根、床に断熱材を適切に入れることで、夏の暑さ冬の寒さの感じ方が驚くほど変わります。
断熱材の種類や厚さの基準は、地域であったり工法によって異なります。
木造住宅の断熱工法は、各部位の内部に断熱材を入れる充填断熱と
外部に断熱材を設置する外張り断熱に分けられています。
簡単に説明するなら、柱や梁で構成される壁内空間に断熱材を詰め込む方法か、柱や梁の外側に断熱材を張り付けるか、
という入れ方に分けられています。
また、断熱化で建物内外の温度差が大きくなると、結露が発生しやすくなります。
この結露は、窓ガラスに生じる表面結露と、壁の中などの見えない場所に発生する内部結露があり、
とくに内部結露は建物の構造材を腐らせる場合もあります。
ですので、断熱性能を高める際には、同時に結露の発生を抑える工夫が必要になります。
例えば、洗濯物を室内に干すことにより、水蒸気が発生します。
水蒸気により住まいに悪影響を及ぼすので極力、外に干すようにしたり、機械換気を行う必要があるでしょう。
エアコンも頻度よく稼働させるでしょうが、高断熱・高気密に関係なく、
エアコン内部の結露により発生したカビが運転時に放出されるので注意が必要です。
毎回、クリーニングしたり、メンテナンスが必要になるでしょう。


【窓ガラスのサッシ、ドアにも断熱を】

窓のサッシやドアなどの開口部は、温度を伝えやすくしたり、空気の出入りをさせたり、
さらに日射が入ってくるように目的があって設置されています。
熱の出入りが非常に大きい部位なので、省エネの重要なポイントにもなることを知っておきましょう。
温度変化を緩和させたいのであれば、断熱サッシが有効です。
サッシ(枠)自体に熱の伝わりにくい素材や構造がすでに用いられています。
ガラスが二重構造になったペアガラスはその一例です。
空気の出入りには、通風や換気が影響します。
風通しの良い窓の配置やサイズ、開閉方法の検討などによって、
夏の涼しさであったり冬の温かさを保つのがベストです。
また、断熱化した住宅は室内に入った日射熱を逃さない性質になるので、
夏はできる限り遮光し、逆に冬は日射を取り入れて室温をコントロールすることで1年を通して、
快適な住まい環境を得ることができます。
ちなみに、日射熱は室内よりも窓の外側で遮蔽したほうが効率がよいので、南側の窓に日射し避けを設けたり、
日射が横から入る東西の窓に日射熱を反射させるガラスを採用するなど、工夫も検討すべきです。